補聴器の効果や種類を知って、
自分に合う補聴器を選びましょう。
●補聴器とは
補聴器とは、難聴の聞こえを補う目的で音を増幅し、必要に応じて音の処理を行い、身体に装着して使用し、内蔵する電池を電源として動作する装置のことを言います。
補聴器には音を捉えて電気信号に変換するマイクロホン、その電気信号を増幅させるアンプ(増幅器)、アンプ(増幅器)に電力を供給する電池、増幅された電気信号を再び音に変換するイヤホンというパーツから構成されています。
●補聴器の効果
私達は音に囲まれた生活を送っています。
サイレンや警報器が聞こえる事で危険を察知したり、電化製品のブザーを聞く事でその合図を察知する事ができます。
また何よりも、聞こえる事で円滑なコミュニケーションを行う事ができ、積極的な社会参加も可能となります。
ところが、聴力が低下してこれらの事が困難になると自信を失い、コミュニケーションや社会参加に対する意欲も薄れがちになります。
そのような時に補聴器を装用していく事で単に小さな音や声が聞こえるという事だけでなく自信を取り戻し、コミュニケーションや社会参加に対する意欲を持てるようになります。
●補聴器の限界
補聴器をつけたからといって、お耳が若い頃の様にはっきり聞こえるというわけではありません。
それは難聴になった原因にもよりますし、難聴の程度にもよります。
一般的に感音性難聴(老人性難聴、突発性難聴、薬物などによる難聴)といわれる難聴は音を聞き分ける能力が低下している事が多いので、全ての音がはっきり聞こえるようになるわけではありません。
しかし、不自由な状態と比べると「かなり聞こえる」という状態にしていく事が可能です。
聴力測定時に言葉の聞き取り能力を測定する
語音明瞭度測定を行います。
最高語音明瞭度を測定することで補聴器を装用した際、どの程度コミュニケーション能力を期待できるか予測ができます。
●補聴器には使おうという意欲が大切です。
残念ながら補聴器を購入されても、使わずにタンスの肥やしになってしまっている方も見受けられます。
補聴器は適切な調整でお使いになる事も大切ですが、装用者ご本人様が使おうという意欲を強く持つ事も大変重要です。
補聴器を使い始めの頃は、補聴器の音に慣れなければならなかったり、いくつか取り扱い方法を覚えなければならなかったりと、少し面倒ではあります。
毎日お使いになっていくにつれてすぐ慣れていきますので、慣れるまでの間は1日1回、補聴器の練習をされる事をお勧め致します。
●補聴器の選び方
補聴器の形は大きく分けて耳掛け型補器、耳あな型補聴器、ポケット型補聴器の3種類です。
機能は聴力や生活環境、形は好みによってお選び頂きます。
@補聴器の形
耳掛け型補聴器
耳の後ろに掛けて装着するタイプ。
補聴器から耳の中にチューブを通して音を伝えます。
最近では小型タイプも多く、小型補聴器の場合チューブも細く、周りから見ても比較的目立ちにくくなっています。
耳あな型補聴器
耳型を採取してオーダーメイドで作る補聴器です。
耳の中に装着するので外から見ても目立ちにくいです。
聴力によってタイプが分かれます。
■最小サイズの超小型補聴器(CIC)
■小型でほとんど着けてる様子が見えない カナルタイプ(MC)
■小さく目立たないカナルタイプ(CT)
■耳にぴったり収まるフルサイズ(LS)
■ワンタッチでスタイリッシュなCOOL
ポケット型補聴器
コード付きのイヤホンタイプ。
スイッチやボリューム操作は手元で簡単にできます。
別売りのバイノーラルセットをご購入頂きますと、両耳でお使い頂けます。
※ポケット型補聴器の販売は2018年12月をもって終了しております。
補聴器のタイプは基本的にこの3種類です。
形を決めたら、次は機能を選んでいきます。
A補聴器の機能
チャンネル数とは?
補聴器にはチャンネル数があります。
チャンネルとは音の高さごとに分割した、その分割数の事です。
聴力は周波数(音の高さ)ごとに聞こえる音量が違いますので、周波数を分割することによってよりきめ細かい調整が可能になってきます。
チャンネルの数が多いほどより静かでハッキリとした音質に近づいていきますので、補聴器を選ぶ際このチャンネル数が重要になります。
より雑音を抑えたい、より明瞭に言葉を聞きたいという場合はチャンネル数が多い補聴器をお勧め致します。
使いたいシーン別・機能比較 |
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日常生活で |
外出時 |
騒がしい環境 |
趣味/旅行
/娯楽 |
室内で2~3人の会話 |
レストラン/街頭 |
同窓会/会議/集会 |
旅行/習い事 |
48ch |
★★★★★ |
★★★★★ |
★★★★★ |
★★★★★ |
32ch |
★★★★ |
★★★★ |
★★★★ |
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24ch |
★★★ |
★★★ |
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16ch |
★★ |
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12ch |
★ |
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※上記以外のチャンネル数の補聴器もございます。
補聴器の機能はチャンネル数によって決まります。
補聴器は高機能になれば音質も良くなります。
同時に価格も高額になっていきます。
かといって、価格の低いものが聞こえないという事ではありません。
補聴器の値段は幅がありますので、ご自身が生活するうえで必要な機能のものをお選び頂く事が大切です。
機能の違い等、詳しく説明致しますのでお気軽にご相談下さい。
●周囲の方へ
補聴器をつけてもすべての音がはっきり聞こえる
という訳ではありません。
そこで、周りの方が補聴器をつけている人に話しかける際には、普通の声でゆっくり・はっきりと話しかけて下さい。
大きな声だと補聴器の音が割れてしまったり、かえって聞きづらくなってしまいます。
周囲の方も、少しずつ補聴器に慣れていきましょう。